ヒップホップを一途に愛し時間をかけて紡いだ言葉(花)を束ね、昨今の日本語ラップシーンに捧げるNORIKIYOの枯れない花束。
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NORIKIYO(ノリキヨ)
1979年生まれの神奈川県相模原市出身のラッパー、DJ、ビートメイカー。相模原を拠点に活動するヒップホップクルーSD JUNKSTAのリーダー。結成当初はK-NERO名義でビートメイカーとして活動していた。愛称はキー君。
レコードの聖地、東京都渋谷区宇田川のシスコ坂にある巨大なグラフィティーアートでもおなじみ。
相模の街の子悪党としてそれなりに悪いお金の稼ぎ方をしていた時期もあったようですが、ある揉め事が原因でビルの4階から飛び降りて両足と背骨を骨折し、医者からは一生車椅子になる事も覚悟して下さいと言われるほどの大けがを負ってしまいます。
ついに悪運尽きた相模の子悪党は入院中にSEEDAの「花と雨」と出会い、怪我をきっかけに自分には音楽しかないと腹を括り、病室で曲を作り始めヒップホップにのめりこむようになり2007年にデビューアルバム「EXIT」を完成させます。
やはり、音楽の才能はあっても悪人の才能はなかったようですね。
DO MY THING/NORIKIYO
街の不良の リアルな生態をリリカルに描写したラップを披露したデビュー曲にして日本語ラップクラシック。DJ 大河のビートにスクラッチをDJ ISSOが担当。
特に「ひきずったティンバー 削れたソールのぶん何を得てきた?」ってラインが心に刺さります。
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語尾が上がるお馴染みのフロウとデビューから一貫して変わらないスタンス、日常をエンターテイメントとして昇華した等身大のNORIKIYOが堪能できるアルバムです。
NORIKIYO / アウトレットブルース〜蛇の道をゆく〜
BACHLOGICプロデュースのサンプリング主体の土臭いビートにNORIKIYOの打ち付けてくるように発するラップが曲が持つポジティブさと泥臭さを引き立てています。生き様がにじみ出ています。
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NORIKIYO / 仕事しよう
DJ NAO the LAIZAがビートを担当した諸先輩方へのDisともとれるラインをユーモアを交えて発信するNORIKIYOのバランス感覚が堪能できる曲。
MVは実際にあった政治家浅沼稲次郎暗殺事件を参考にした、山梨県一宮を拠点に活動するstillitimiyaが運営するスタジオ石メイド。仕事したお金でアルバム買おう(笑
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NORIKIYO / 夜に口笛
こちらもBACHLOGICプロデュースの全国の頑張るオジサン(お兄さん?)に送る応援歌です。アニメや映画のヒーローじゃない。人間、たとえダサくても自分は自分。胸を張って生きていきましょう。
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アルバム「花水木」ではZeebraへのDisがあったり攻撃的な内容のアルバムだと捉えられる事が多くなっていますが、DisにしてもNORIKIYOが音楽に真摯に向き合っている結果だったり、アルバムを通して聴くと起承転結がしっかりしているので通しで聴くのをオススメします。
NORIKIYO / It ain’t nothing like Hip Hop
T-Jonezのピアノの旋律が心地良いジャジーなノリのビートに「やっぱヒップホップしかないっしょ!」って意味のタイトルから分かる通り決意表明の曲。
NASやSEEDA、MONJUなど NORIKIYOが影響を受けたアーティストの名前が出てきて全員が第一線で活躍しているのがたまらないですね。
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NORIKIYO / Lost Sign
武器はふたつ安もんの文房具
DOPE Bのまるで映画を観ているような壮大感のあるビートに後悔と懺悔と前進と言う感情が混ざり合ったNORIKIYOの研ぎ澄まされた感性が爆発している曲。
もしかしてDOPE BってBACHLOGICですかね?
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NORIKIYO / やるなら今
トラップのビートに日本の政治をトピックにNORIKIYO節がフルコースで炸裂している曲。トラップのビートを違和感なく日本語で乗りこなせるのは今のところNORIKIYOくらいのもんですね。
お馴染みのスタジオ石がメガホンをとった昭和任侠映画をイメージしたようなMVが曲の世界観を映像とリンクさせリリックのブラックユーモアをライトにしつつ深みをもたせています。角刈りのMr.磨さんイカす!
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「後悔」をメインテーマにネガティブになる訳ではなく、やりきれない部分をポジティブに昇華して聴いた人が前に進むエネルギーをもらえるような力強さを持ったアルバムです。こちらも是非通しで聴くのをおススメします。
あとがき
ソロデビュー10年目を迎え、ヒップホップに対して真摯に向き合い続けてきたNORIKIYOが培ってきた言葉とスキルと視点、色彩を作品を通してもしくは現場で体感してみて下さい。
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