自分の生活をさらけ出して「等身大」をビートに乗せてライムを吐く。普遍的な日常をドラマチックに彩るリリカルなスキルと説得力のあるライミングでZORNの快進撃は続く。
目次
ZORN(ゾーン)
レぺゼン葛飾。東京都葛飾区新小岩出身在住、般若主宰の昭和レコード所属のラッパー。フリースタイルバトルで名前を上げたストーリーが破錠しないで韻を踏み続ける唯一無二のスタイルが特徴。別名ZONE THE DARKNESS。ラッパーと左官の二足のわらじ。三児のパパ。
昭和レコードに入る前はZONE THE DARKNESSと言うラッパーネームで活動していました。名前の由来は当時流行っていたシークレットベースでお茶の間の人気者になったのガールズバンド「ZONE」が好きでラッパーとして有名になったらメンバーに会えるのでは?と思って付けたそうです。
10代後半から20代前半はフリースタイルバトルで名前を上げ、同時に精力的に自主制作で音源を作り自分のスタイルを築いていきました。
曲中でノンフィクションのストリートの黒さを垣間見せたりはするものの、それだけではなく自身の死生観や独自の物の見方や比喩表現だったり、まるで小説や短編映画のようなストーリー性を持っていたり20歳そこそこで他のラッパーと一線を画する才能を持っている事は一目瞭然です。
ZONE THE DARKNESS 「奮エテ眠レ」
成功が努力よりも先なのは辞書だけだ
ひたすら韻を踏み続けながらもリリックのストーリーは破綻していないのがほかのラッパーとの違いです。そして下手にUSぶらないで日本語を主体にした日本人ならではのライミングが特徴です。ヒップホップで成り上がる決意を感じる。
DOWNLOAD | |
SONG | ALBUM |
雨、花、絵描き。 / ZONE THE DARKNESS
どの時代も滅びない 傑作を残したい
短編映画を見ているような計算されたリリックのストーリー性と世界観に引き込まれる曲。流行の絵画と日本語ラップシーンを重ねて比喩しています。そして一番大事なものは何なのか譲れないものは何なのか毎回背中を押してくれます。
DOWNLOAD | |
SONG | ALBUM |
昭和レコード加入
昭和レコード加入に至った経緯は、2013年の夏頃に般若に食事に誘われ帰り道駅に向かって歩いてる時に何の前触れもなく「ウチから出さないか?」って言われて「はい」って答えた事から始まりました。
また、般若が昭和レコードにZORNを誘った時にウチから出さないか?のみで、誘うに至った経緯も一切説明されずZORNもそれについては触れる事はなく、声をかけてくれただけで十分と言います。
昭和レコードに加入してからZORNに改名してラップのスタイルも押韻でまくしたてるフリースタイラーならではのスタイルから般若の様な間を埋めすぎない言葉を重視したスタイルに変化していきました。
JAZEE MINOR “100 (Remix)” feat. ISH-ONE, ZORN, MARIA (SIMI LAB),Staxx T (CREAM)
日本語ペラペラ 白いご飯とみそ汁
ZORNの客演と言ったらまずはコレ!JAZEE MINORに客演したこの曲。
同世代のラッパーの中でも頭一つ抜けていますね!
DOWNLOAD | |
SONG | ALBUM |
KEN THE 390 / Make Some Noise feat. ZORN,NORIKIYO
見た目は大人 頭脳子供 俺は逆コナン
KEN THE 390に客演した曲。フックの「たとえノイズでも声上げる」と言う一文からアングラが生んだ文化の鬱憤が詰まっています。メインストリームばかり評価され日本語ラップはノイズの様にしか評価されないけどそれでもやり続けると言う本気度がうかがえます。
DOWNLOAD | |
SONG | ALBUM |
般若×ZORN×SHINGO★西成-GO
才能無いのが心配だったら 新垣さんがピッタリじゃん
昭和のライブでも盛り上がる定番曲。ビートがEDMっぽいけど全然ヒップホップしててフェイクなヤツをこき落とす内容のバースと西成のフックも最高だお☆
DOWNLOAD | |
SONG | ALBUM |
般若×ZORN×SHINGO★西成-HUNGRY
当時のギャラは雀の涙 それでもあったよ続ける価値が
ラップを始めた頃から今まで攻め続けている3人ならではの曲。それぞれ熱いを通り越して暑苦しいくらいの熱量を持った3人のラップに対しての正直な気持ちが表れています。
DOWNLOAD | |
SONG | ALBUM |
ZORNは昭和レコード加入後結婚し家庭を持ったと言う事もあり、クソみたいな生活から音楽で成功して抜け出す!と言った内容から日常や子供の事を切り取ってラップする様になりました。
ヒップホップは自分自身が普段思っている事をビートに吐き出す音楽です。
それをカッコ良いからと言ってUSの真似をしてゴールドのチェーンがーとか悪い事してメイクマニーするぜーと言ってもピンとこないですよね?
リアリティーとファンタジーの バランスをどう取るのかがラッパーのアイデンティティーを形成する上で重要な要素であると思うのですが、日本では派手な生活をしているラッパーは少ないため、たとえ貧乏だったとしても「昔は貧乏だったが、今では・・・」くらいの格好が付く程度のリアリティーに留められがちになってしまいます。
しかし、ZORNのリリックは普段の生活を切り取ったものや自分の半生を包み隠さずにさらけ出しているリアルがあり、平凡な生活が全てだと言い切れる信念!それこそがZORNのラッパーとして人間としての魅力です。
ZORN / My Life
洗濯物干すのもHIP HOP
おそらくこの曲を作っている時にはここまでさらけ出す必要はあるんだろうかとかラッパーしながら仕事してるんだーって思われるんだろうとか少なからず葛藤があったと思います。
しかし、蓋を開けてみたらこんな日常をラップしてカッコ良い曲ができるのかと!
何度も言いますが、曲によっては多少自分のカッコ悪い部分をあえて出す事が逆にカッコ良いみたいな事はありますが全部をさらけ出して人間としてカッコ良い!音楽的にもカッコ良い!
と、言うのはZORNだけではないでしょうか??
DOWNLOAD | |
SONG | ALBUM |
ZORN / Letter
そして2年 あの日を忘れない
はじめてパパと呼ばれた日
ZORNが全ての親がわが子に対して思っている事を代弁してくれました。ZORNTHE DARKNESSがヒップホップを通して人間的にも成長し、幸せを手に入れるまでの記録であり音楽のすばらしさと日本語の美しさを再認識させられる曲。リリックも違和感がなく自然に韻を踏んでいます。間違いなくネクストのリリシストです。
DOWNLOAD | |
SONG | ALBUM |
ZORN / かんおけ
明日のことなんてsiriも知りもしねぇ
未来は俺らの手の中
今動いた嫁のお腹
身の回りで起きた出会いと別れ、自身の身の振り方、死生観などZORNの哲学が詰まった曲。未来は俺らの手の中につなげるまでのリリックと韻の踏み方もさすが。
いつかバナナマンの設楽が朝起きてご飯食べて仕事してって日常を面白おかしくコントや漫才にできたら芸人としてそれが最強って言ってましたがまさにそれ。
DOWNLOAD | |
SONG | ALBUM |
前作生活日和よりもさらに日常にフォーカスした等身大なアルバム。ポップでシンプルに日常を切り取ってヒップホップが成立するのは自身のスタイルを確立したZORNにしか表現できない事です。ラップ聴いて心から共感できるって凄い事です。
あとがき
これからもZORNをはじめ日本語ラップシーンから目が離せませんね。これを機にZORNが所属する「昭和レコード」の生身で等身大な音楽をチェックしてみて下さい。
コメントを残す